魔女の宅急便

そこかしこに見える「家族」の形

あまり「家族」という形が観られないと感じる映画かもしれませんが、「魔女の宅急便」をおすすめします。
「魔女の宅急便」は、13歳になったら独り立ちをして自分の街を見つけるという魔法使いの少女が、満月の夜に旅立ち、新しい街で奮闘するというもの。

主人公のキキは、繊細でちょっと高飛車なところがありつつも前向きな頑張り屋で、失敗しながらも前に進み、新しい出会いをつかみとっていく姿は人に感動を与えます。

1人の少女が成長していく姿を描いたこの映画は、今も名作として人の記憶に残り続けています。

13歳で娘を独り立ちさせなければならなかった母親

劇中はほとんどがキキの視点で語られるため、母親の出番はとても少ないものとなっています。
が、映画を細かくみていくと、ここお母さんがキキを思い、いろいろなことを教えていたことがわかります。

皆さんは、キキのお客さんであるおばあちゃんが「ニシンとかぼちゃの包みやき」をやくシーンのことを覚えているでしょうか。

ここでおばあちゃんのお手伝いをするキキ。
薪をもってきて、パイを入れて新聞紙に火をつけるという手際のよさに、おばあちゃんはこう声をかけます「お母様の仕込みがいいのね、手際がいいわ」。

そう、キキのお母さんは人間の子より早くに親元を離れる娘がどこに行っても生活することができるように、生活の知恵をきちんと教えていたのです。

失敗しながらもホットケーキをつくって自炊すること、宅配便屋をやってお金を稼ごうとする前向きさ、すべてあのお母さんと、お父さんが彼女に伝えたのでしょう。

そこに、そこはかとなく家族の愛を感じる映画です。

ジジとの関係

物語の序盤からキキと一緒にいるジジ。
そんなジジですが、文句を言いながらもキキを支え、2人はまるで兄弟のように協力し合って生活をします。

しかし、キキの魔法が弱まる中でジジの声が聞こえなくなってしまい、キキは大変な事態に。
その後、キキの魔法がふっかつし、ジジと再会したあともジジの声は聞こえないままです。しかし、キキはそれを残念がる様子はありません。

この「なぜジジが喋れないままなのか」については、監督自らが説明をしています。
あれはキキの心の声であり、ジジは最初から喋っていたわけではない。最後にキキは成長したため、ジジの声はもう必要がなくなったためというのが真相だそうです。

家族ともいえる二人の関係が成長し、もしかしたら一歩遠くなったと言える瞬間かもしれません。