独身という生き方

原家族という形

「家族」という言葉が指すのは、一般的に2つの家族があります。
そのひとつが、自分が生まれ育った両親や兄弟、場合によっては祖父母などを含む集団から構成される「原家族」。

そして、成人して結婚することで新たにつくりあげていく家族がもうひとつの「家族」です。
しかし最近は、結婚をせずに生涯独身で過ごす生き方を選ぶ人が、男女ともに増えています。

その背景には、不景気による収入額の低下によって、結婚して子どもを産んで家庭を築いていくという、ごくふつうのことすらままならない人が増えてしまったという経済的な要因によるものや、女性の社会進出がすすみ、結婚や出産よりもキャリアを選ぶ女性が増えたこと、「結婚はしなければならないもの」という社会の固定観念が薄れ、さまざまな生き方が選びやすくなったことなどがあるでしょう。

人生というのは「こうしなければならない」などというものはどこにも存在しませんから、積極的に独身を選ぶのは生き方のひとつの選択肢として、じゅうぶん価値のあるものではないかと思います。

結婚とは個人の自由であるべき

もちろん、経済的理由で結婚したいのにできない人たちを救済するための社会の仕組みづくりは必要不可欠ではないかと思いますが、自らせんたくして「結婚しない」という人生を選んでいる人に対して、他人がとやかく口を出す筋合いはありません。

それにもかかわらず、少子化に危機感を覚えた国が結婚・出産を早い時期にするようにと女性に推奨するための啓蒙活動として「女性手帳」なるものを配布する、というニュースが物議を醸したことがありました。

結婚を選ばない人の中には、身体的な理由で出産ができないというケースや、同性愛者なども多く存在するはずですし、結婚するかしないかというのは完全に個人の自由です。

それを「啓蒙」するなどという、ひどく時代錯誤のこの法案は女性たちの猛反対にあって流れたようですが、世の中にはまだまだ、多様な生き方を認めようとしない風潮があるということを感じた一件でした。

現在、積極的に独身を選んで人生を送っている人たちは、おそらく40代くらいが一番上の年齢層でしょう。
その人たちがこの先独身として年齢を重ねていくことで、新しい人生の選択肢としてのモデルになってくれるのではないでしょうか。

そうすれば、若い人たちは結婚する、しないという選択を含め、さまざまな生き方のモデルケースから、自分の将来のあり方を考えることができるようになるかもしれません。