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血のつながりだけじゃない

子ども

血の繋がりだけが家族ではない

家族というと、両親がいて、そこから生まれた子どもがいる、場合によっては祖父母も同居する・・・といったかたちを思い浮かべる人がほとんどではないでしょうか?

しかし、実際に血のつながりのある人の集団だけが「家族」ではありません。
世の中には、「里親制度」を利用して血縁関係はないけれど、家族としての絆をもち、ともに生きている人たちもいます。

多くの人たちにとって、家族や家は、安心できる、自分を守ってくれる空間ではないでしょうか。
そして、それを当たり前のことだと思っているかもしれません。

しかし、それは当たり前のことではないのです。

家が安心できる場ではない子供たちもいます

中には、家族の関係がきちんと築けない家や、親が子どもに暴力をふるっている家、あるいは夫が妻を殴り、それを毎日子どもが目の当たりにしなくてはならない状況という家も存在するのです。

そうなってしまう背景はさまざまですが、そのような家庭をつくってしまう親がとても悪い人・・・ということではなく、親自身が精神的に問題を抱えていたり、あるいは自分自身が虐待をうけて育ったために正しい子育てのしかたを知らないといった場合も多いのです。

このような家庭の子どもで、これ以上家で生活するのが危険であると周囲の大人が判断した場合、児童養護施設に引き取られることになります。

児童養護施設は、さまざまな事情で家庭での生活が困難になった子どもが集団生活を送っている場所。ベッド

虐待などのほか、シングルマザーの家庭で親が病気になってしまったというケースや、事故や災害で両親を亡くしたケースも含まれ、多くの子どもがこころの傷を抱えているため、生活の支援に加えてしっかりとした精神的なケアが必要となります。

里親制度は、児童養護施設で生活する子どもを一般の家庭に迎え入れて、家族の一員としてその家で生活させるという制度のこと。

多くの場合、子育ての経験のある夫婦が研修をうけて専門知識を身につけた上で里親として登録します。
そして、受け入れた子どもは18歳になるまでその家で生活することができるのです。

里親と里子の関係は、最初はぎこちなかったり、トラブルが起きたりもするようですが、長い時間をかけて少しずつ信頼関係を作り上げ、やがて本当の「家族」となることができるそうです。

大変な家庭環境から抜け出して里親の元にきた子どもにとって、それこそが本当の「家族」となるのかもしれません。
家族は、血のつながりだけで表せるものではありません。

大切なのは、お互いを思いやり、家族になっていこうという思いなのです。